「Merry Christmas!」 疲れ果てて帰ってきたホテルの部屋。 ありえない声に仰天して、振り向いた。 …!? 朝、出かける時にはなかったはずの 巨大な クリスマスリースが 部屋の中央にぶらさがってる! そして そのリースをブランコのようにして…座っているのは!! 「も、最上…さん…?!」 真っ赤なサンタ服…の 超ミニスカート! のぞく素足が なんとも まぶしい!! 「敦賀さん!お帰りなさい!お疲れ様でした!」 ぴょんと リースから飛び降りて 彼女がほほえんだ。 「…あ、あの…なんで…。」 「ラブミー部のお仕事です!社長から 我がLME最大の功労者である敦賀さんに プレゼントを 手渡してほしいと仰せつかりました!」 「そう…ありがとう…わざわざ…。」 なにやら 赤いリボンがついた包みを受け取った。 ふぅ…。 …そんなことだと思った! 自分の意志で…来てくれたんじゃないとわかって ちょっと落ち込む。 「…そ、それに 便乗しちゃうなんて 図々しいかと思ったんですが…。」 彼女が ほほを赤らめて もじもじしている。 「わ、わたしからも プレゼントがあるんです。その…大した物じゃないんですが…。」 「…え…?」 どきっと 心臓が跳ねた。 「身代わり人形です!」 さっと 差し出してきた物体を見て 心臓が止まるかと思った! お。俺!? …の 人形…! やたら そっくりで 気味が悪いほど…。 …! こっ、この衣裳は! つい1週間前。 パリコレで初めて着た…アルマンディの新作スーツ!! 「も、最上さん…これ…。」 「ちょうど 受験も終わって時間ありましたから!必死に作りました! 間に合って良かったです!」 なにげなく ほほえんでるけど…。 こういう人形作りのことは まったく知識がないけれど…! そんな短時間でできる作業か?!これ!! 「衣裳に隠してますけど…背中にあるこのスイッチ押すと…。」 彼女が なにやら操作する。 …と 人形の俺の顔がほほえんだ。 っっ!!? 「表情可動式なんです。時間がなくて 笑顔と普通の顔しかできなかったんですけど。」 「…い、いや…!充分…すごいから!!あり…がとう…。」 人形師でもやっていけるな…この子。 この腕前知ったなら 辻村ジュサブロー一座が 即 スカウトに来そうだ! 「…祈りを込めてるんです…この人形に…。」 そっと 俺の人形の頭をなでながら 彼女がつぶやいた。 「敦賀さんに…何か 悪いことが 災難が 降りかかりそうになったら おまえが身代わりに なるんだよ…って。」 「…最上さん…。」 じん…と 胸が熱くなった。 「ありがとう…。」 ぎゅっと その体を抱きしめる。 「つ、敦賀さん!」 たちまち 彼女の顔が真っ赤になる。 「あ!あのっ!しゃっっっ、社長さんからの贈り物…!あ、開けてください!」 「…ああ…。」 仕方なく その包みを開けてみた。 …!? 中には カードが1枚…だけ?? 『聖なる夜には、奇跡が起こる。 おまえの健闘を祈る! 愛の伝道師:ローリィv』 …・!? なっ!? ぺらり カードには異例の2ページ目がある! 『PS』 『ヘタレもほどほどにしないと 他のヤツが持ってくぞ!』. …社長…! 「…?あの?敦賀さん?中身は…。」 「…ああ。」 すっと 包みについてた 赤いリボンを外す 「これ」 そのリボンを彼女のサンタ帽に くくりつけた。 「…はい?」 「人生最高の贈り物…だ。俺にとって。」 …君次第…なんだけど…ね。 「…は?」 「ねぇ…最上さん…。」 「は、はい?」 「俺の願い事…聞いてもらえる?」 「…?え?ええ…わ、私でできることでしたら…。」 「君じゃなければだめなんだ…。」 今までも これからも。 永遠に…。 何もほしいものはない。 君以外には…。 | |
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